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国産車に乗り換えようと思って、ディーラーで今の外車の下取りを聞いてみたんです。そしたら、思っていたよりずっと安くて……。輸入車って、そういうものなんでしょうか?
買ったときはあれほど高かったのに、手放すときはびっくりするほど値段がつかない。輸入車(外車)に乗っている方なら、一度はこんなモヤモヤを感じたことがあるのではないでしょうか。
僕は以前、国産車のディーラーで車の営業をしていました。輸入車から国産車へ乗り換えるお客さまもいらっしゃいましたが、僕がいた店では、輸入車の下取りは基本的に行わず、買取店への持ち込みをお勧めしていました。
そして2021年には、わが家の2010年式メルセデス・ベンツEクラスワゴン(名義は妻、運転していたのはおもに僕)を、一括査定を使って売りました。
この記事では「下取りを受けなかった元営業」と「実際に売った持ち主」の両方の立場から、輸入車の下取りが安くなりやすい理由と、損をしにくい手放し方を正直に書きます。
結論:輸入車は下取りで決める前に、買取店で値段を確かめる
先に結論です。国産ディーラーの下取りは、次の車の契約と一緒に手続きが済むので楽です。ただ、輸入車の場合は値段が伸びにくい傾向があります。僕がいた店のように、そもそも輸入車の下取りをしていない店もあります。
ですから、ディーラーで下取り額を出してもらったとしても、その金額だけで決めないでください。比べ方は、次の3つから自分に合うものを選べば十分です。
- 輸入車に強い買取店に、オンラインで査定してもらう
- 一括査定で、複数の買取店の額を比べる
- 売るか迷っているなら、先に相場の目安を調べる
下取りの金額は、車の価値だけでなく「そのお店がその車を売れるかどうか」で決まりやすい金額です。
まず手軽に1社の金額を知りたい方は、輸入車を専門に扱う買取店のオンライン査定から始めるのが手間の少ない方法です。ただし1社の額だけで決めず、比べる材料の1つにしてください。
▼ 店に行かずに、Webから輸入車専門店の査定額を確かめる
なぜ輸入車(外車)の下取りは安くなりやすいのか|元ディーラーが見てきた3つの理由
理由1:国産ディーラーは、輸入車を売る場所を持っていないことが多い
ディーラーが下取りした車は、自社の中古車店や系列の店で売るのが基本です。そのため、扱っていないメーカーの車は下取り額が下がりやすいと言われています(出典:MOTA「ディーラー下取りは本当に安い?」)。
僕がいた店で輸入車の下取りをしていなかった理由の1つめも、これでした。下取りした輸入車を、売る場所がなかったのです。売り先が決まっていない車に、自信を持って値段をつけることはできません。無理に低い下取り額を出すより、輸入車を売れるお店に見てもらったほうがお客さまのためになる。だから買取店への持ち込みをお勧めしていました。
なお、これは当時の僕がいた店のやり方です。輸入車の下取りを受け付けている国産ディーラーもあるので、すべての店がそうだとは言えません。
理由2:売る前の整備にいくらかかるか読めない
理由の2つめは、整備費です。下取りした車は、次のお客さまに売る前に点検や整備をします。国産車なら「このくらいかかる」とおおよその見当がつきますが、輸入車は部品を国外から取り寄せることもあり、修理の手間や費用が読みにくくなります(出典:ネクステージ「外車の下取り価格が安くなりがちな理由とは?愛車を少しでも高く売るための方法をご紹介」)。
営業の立場から言うと、「予想外の整備費が出るかもしれない車」には、その分を見込んだ低めの金額しか出せません。年式が古いほど、この不安は大きくなります。
輸入車は、消耗品ひとつでも国産車より高くつきがちです。わが家のEクラスワゴンも、18インチのタイヤ4本を替えたときは、ディーラーの見積もりより抑えても約10万円かかりました。今乗っている輸入車のタイヤ代を抑えた方法は、輸入車の18インチタイヤを実質47,000円で交換した体験談にまとめています。
理由3:下取り額は、値引きと一緒に調整されやすい
下取りは、次の車の商談の中で決まります。ディーラーが値引きの分を下取り額で調整することがある、と解説している記事もあります(出典:MOTA)。
値引きと下取りを合わせた「支払総額」で話が進むと、お客さまからは「下取りが本当はいくらだったのか」が見えにくくなります。輸入車の下取りが安く感じるのは、この見えにくさも一因です。
下取りが安いのは、あなたの車が悪いからとは限りません。お店の事情の影響が大きいのです。
2021年、使わなくなった11年落ちのEクラスを一括査定で売った
ここからは、売った側としての僕の体験です。
2021年3月、わが家の2010年式メルセデス・ベンツEクラスワゴンを手放しました。名義は妻で、運転していたのはおもに僕です。次の車への乗り換えではなく、使わなくなった車を売るだけだったので、ディーラーの下取り見積もりは取らず、買取査定だけで進めました。
使ったのは一括査定です。正直に言うと、どのサービスを使ったかは覚えていません。連絡があったのは2〜3社だったと記憶しています。
やってみて大変だったのは、次の2つです。
- 地方なので、対応できる店が数社しかなかった。都市部のように、たくさんの会社を比べる状況にはなりませんでした
- 査定に来た営業マンが、とにかく必死だった。「あと数万円上げるから、この場で決めてほしい」と言われました
各社の金額の差は、数万円くらいだったと記憶しています。最終的に、大手買取チェーンに約56万円で売りました。
この金額については、3つ注意してください。
- 2021年3月当時の金額で、僕の記憶による概数です。今の相場ではありません
- 買取額は、車種・グレード・走行距離・状態・時期で大きく変わります。同じ年式のEクラスでも、同じ金額になるとは限りません
- 下取りの見積もりは取っていないので、「下取りより◯万円高く売れた」とは言えません
それでも、11年たった輸入車に値段がつき、2〜3社の額を並べて見られたことには意味がありました。1社だけだったら、その額が高いのか安いのか判断できなかったからです。
「この場で決めてくれたら上げる」は、販売の現場ではよくある言い方です。「今日決めてほしい」は、お客さまに他社と比べられたくないときに出てくることが多い言葉です。僕も営業時代に使っていたので、言う側の事情は分かります。
営業の経験があったのに、当時の僕は売却を急いでいたこともあって、「あと数万円上げるから、この場で決めてほしい」と言ったその営業マンの会社(大手買取チェーン)に、その場で決めました。今振り返ると、もう少し比べる時間を取ればよかったと思っています。もっと多くの会社と比べていたら、もっと高く売れたのではないか。これは僕の推測で、いくら違ったのかは分かりません。ただ、この反省が、あとで書く「その場で決めない・条件は書面でもらう」の理由です。
10年以上たった輸入車でも、比べれば値段がつくことはある。少なくとも僕の場合はそうでした。
輸入車(外車)を損しにくく手放す3つの方法
売り方は、どれが一番というより、自分がどの手間なら払えるかで選ぶのがおすすめです。まずは表で比べます。
| 方法 | よい点 | 注意点 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 輸入車専門店のオンライン査定 | 店に行かずに済む。やりとりが1社で済む | 1社だけでは比べられない。実車の状態で金額が変わることがある | 手間を減らしたい人、平日に時間が取れない人 |
| 一括査定 | 複数社の額を比べられる | 複数の会社から連絡が来る。その場で決断を迫られることがある | 時間をかけても比べて売りたい人 |
| 先に相場を調べる | 売るか決める前に目安が分かる | 実際の買取額とは違う | まだ売るか迷っている人 |
方法1:輸入車専門の買取店に、オンラインで査定してもらう
理由1で書いたとおり、輸入車の値段が伸びにくいのは「売る場所を持っていない」ことが大きな原因です。逆に言えば、輸入車を売る場所を持っているお店なら、その心配は小さくなります。
その一例が、岐阜県大垣市の株式会社YAMAIが運営する「輸入車買取センター」です。公式サイトで確認できる特徴は次のとおりです(2026年9月27日確認。出典:輸入車買取センター公式サイト、株式会社YAMAI 会社概要)。
- 申込はWebのフォームから(LINEでの受付もあります)
- 査定から成約・引き揚げまで、対面なしのオンラインで完結(査定担当者は訪問しない。書類は郵送)
- 全国対応
- 引き取り費用は無料
- 買取後の減額は「なし(一部例外あり)」
- 入金は引き揚げから2営業日以内(最短で当日)
先にお伝えしておくと、僕自身はこのサービスを使ったことはありません。2021年に僕が使ったのは、次の方法2の一括査定です。そのうえで、地方に住んでいて近くに輸入車を見てくれる店が少ない方には、選択肢の1つになると考えています。
申込の流れや対応エリアは、輸入車買取センター
の公式サイトで確認できます。
デメリットと、向かない人も書いておきます。
- 1社だけでは比べられない。提示された額が高いのか安いのかは、ほかの額と並べないと分かりません
- 申告した内容と実車の状態に違いがあると、金額が変わる可能性がある。「減額なし」には一部例外があると書かれているので、どんな場合が例外なのかを申込前に確認してください
- 年式・走行距離の買取条件は、公式サイトに記載が見当たりませんでした。古い車や状態によっては買い取れないこともありえるので、まずは査定で確かめる前提で考えてください
- 対面で相談しながら決めたい人には向きません。やりとりがオンラインと郵送で進むためです
方法2:一括査定で、複数社の額を比べる
僕が2021年に使ったのがこの方法です。一度の申込で複数の買取店から連絡が来るので、額を並べて比べられます。比べられることが、一括査定のいちばんの強みです。
一方で、複数の会社から電話やメールが来ますし、出張査定では僕のように「この場で決めてほしい」と迫られることもあります。電話の数が気になる方は、やりとりする会社を絞れる形式のサービスを選ぶ方法もあります。
また、地方では対応できる店が限られます。僕の場合は数社でした。「何十社も比べられる」とは考えないほうが現実的です。
向かない人:電話対応や査定の立ち会いに時間を割けない人、その場で強く言われると断りにくい人。
方法3:売るか迷っているなら、先に相場の目安を調べる
「売るかどうか、まだ決めていない」という段階なら、先に車種・年式ごとの相場の目安を調べておくだけでも、ディーラーで下取り額を言われたときに慌てずに済みます。
ただし、相場はあくまで目安です。実際の買取額は、走行距離や傷、整備の状態で上下します。目安を知ったうえで、最後は方法1か方法2で実際の額を確かめてください。
「どこが一番高いか」より、「自分はどの手間なら払えるか」で選ぶ。それが、後悔しにくい売り方です。
査定の前にやっておくこと(今日からできる)
整備記録簿・取扱説明書・スペアキーをそろえる
理由2で書いたとおり、買う側がいちばん気にするのは「この先いくら整備費がかかるか」です。整備記録簿があれば、いつ・どこを整備したかを説明できます。車検証と一緒に、記録簿・取扱説明書・スペアキーを1か所にまとめておきましょう。
その場で決めない。キャンセル料と減額の条件を書面で確認する
国民生活センターには、中古車の売却で「契約後に減額された」「高額なキャンセル料を求められた」「強引に契約させられた」といった相談が寄せられています。しかも、車の売却は特定商取引法のクーリング・オフの対象外です(出典:国民生活センター(2024年6月18日)、国民生活センター(2023年3月22日))。
僕は「あと数万円上げるから、この場で決めてほしい」と言われ、売却を急いでいたこともあって、その場で決めてしまいました。同じ後悔をしないために、「この場で決めてほしい」と言われたときは次のことを守ってください。
- その場で決めない。金額と条件を書面でもらい、持ち帰って比べる
- 契約前に、キャンセルの条件(いつまで・いくら)と支払いの時期を契約書で確認する
- 事故歴・修復歴は、査定のときに正直に伝える。国民生活センターは、正しく伝えていれば契約後の減額に応じる必要はないと案内しています
困ったときは、消費者ホットライン「188」や、JPUC車売却消費者相談室(0120-93-4595、9時〜17時(土日祝休み))に相談できます(出典:JPUC 車売却消費者相談室)。
「今日決めてくれたら」は、車を買うときにもよく聞く言葉です。営業側が何を考えて言っているのかは、ディーラー営業の「今日決めてくれたら」の裏側と、押し売りを避ける方法で詳しく書いています。
次の車の商談と、今の車の売却は分けて考える
乗り換えの場合、理由3のとおり、下取りと値引きを一緒に話すと「どこで得をして、どこで損をしたのか」が分からなくなります。今の車の売値は買取店で確かめ、次の車は車両価格と値引きだけで比べる。こうして分けて考えると、判断がぐっとシンプルになります。
売ったお金は、次の車の購入資金にあてられます。次の車を中古車で探すなら、元ディーラーが比べた中古車サイトのおすすめランキングも参考にしてください。
まとめ:輸入車の値段は「売れる場所」で確かめる
- 国産ディーラーの輸入車の下取りは、売る場所を持っていないことが多い・整備費が読めない・値引きと一緒に調整される、といった理由で安くなりやすい
- 売り方は3つ。手間を減らすなら専門店のオンライン査定、比べたいなら一括査定、迷っているなら先に相場を調べる
- その場で決めず、キャンセルと減額の条件を書面で確認してから契約する

下取り額を聞いて「こんなものか」とあきらめる前に、輸入車を売れるお店の額を1つ知っておくだけで、判断はずいぶん変わります。僕自身、11年たったEクラスの値段の見当がついたのは、2〜3社の額を見られたからでした。ただ、急いでその場で決めてしまったのは反省点です。売るときは、比べる時間も一緒に確保してくださいね。

下取りの金額だけで決めずに、まずは比べてみます!
よくある質問(FAQ)
国産ディーラーで輸入車は下取りしてもらえますか?
お店によって違います。僕がいた店では基本的に行わず、買取店をお勧めしていました。下取り額を出してもらえる場合も、買取店の額と比べてから決めるのがおすすめです。
10年落ちの外車でも値段はつきますか?
車種・走行距離・状態で大きく違うので、一概には言えません。わが家の2010年式Eクラスワゴンは、2021年3月に約56万円で売れました(当時の金額・記憶による概数で、今の相場ではありません)。まずは査定で確かめてください。
一括査定は電話がたくさん来ますか?
複数の会社から連絡が来る仕組みなので、1社に申し込むより連絡は増えます。地方に住んでいた僕の場合は2〜3社でした。電話を減らしたいなら、やりとりする会社を絞れる形式のサービスか、1社のオンライン査定を選ぶ方法があります。
オンライン査定の金額から下がることはありますか?
申告した内容と実車の状態に違いがあれば、変わる可能性があります。「減額なし」とうたうお店でも例外の条件があることがあるので、申込前に確認してください。
売ったあとにキャンセルできますか?
車の売却はクーリング・オフの対象外です(国民生活センター)。キャンセルできるか、いくらかかるかは契約書の条件しだいなので、サインする前に必ず読んでください。
▼ 今の輸入車がいくらになるか、店に行かずに確かめる
