
そろそろ車を買い替えたいんだけど、ディーラーに行くと強引に契約させられそうで怖いな…

わかる!『今日決めないと損します』とか言われそうだし、子どもも一緒だと落ち着いて考えられないよね
こう感じる人はとても多いはずです。
僕がディーラーに勤務していた時も「営業マンに押し切られて後悔した」というお客様の声をたくさん耳にしました。僕自身も逆の立場になってみて「グイグイ営業されるのが嫌だな」と思うこともあります。
そこで今回は、元ディーラーで車好きの僕がディーラー営業の実態と安心して買い物をするコツをお伝えします。
営業の仕組みや心理を理解し、ちょっとした準備をしておけば、押し売りを避けて安心して車選びができるようになりますよ。
車購入に不安を感じるのはなぜ?
初めての購入での心理的ハードル

車のことはよくわかんないので、ディーラーの営業マンにお任せしたいけど、結果、損したら嫌だな…
車にそれほど詳しくない人にとって、「車ってどう選べばいいの?オプションって何?保険?税金?車検?コーティング?」・・・「よくわかんない!!!」って感じだと思います。しかも、高額商品なので「損したくない」という心理もあり、不安を感じるものです。
ネットや口コミで広がる不安情報
SNSや口コミサイトには「高額なオプションを無理やりつけられた」「即決を迫られた」という体験談がたくさんあります。初めてディーラーに行く人にとっては、それだけで「ディーラー=怖い」と思い込みがちです。
車両以外の高額オプションや即決営業
例えば、車両以外にボディーコーティングや延長保証などのオプションのほか、自動車保険やカーローンなどを強く勧められたり、「今日契約してくれたら○○円値引きします」と急かされるケースは珍しくありません。
実際に僕もディーラー時代に車やその他の商品を売るために何度もロープレをやって営業トークを教え込まれた経験があります。
ディーラー営業が強引になる背景
売上ノルマとインセンティブ
営業マンは常に「月5台」「四半期で15台」などのノルマを課されています。台数や金額に応じてインセンティブが支給されるため、契約を迫られやすくなるのです。
特に、月末や決算期末などでは、「目標達成まであと何台」といった感じで、営業マンに相当なプレッシャーがかかります。
さらに、メーカーからの圧力もあります。新型車の発売時には、メーカーからディーラーに台数が割り当てられますし、年間の販売台数が決められていたりもするので、それが各営業マンにノルマという形で落ちて来ます。営業マンが強引になるのは、こんな背景もあるんです。
そのため、強引な営業をするのは、まだ固定客が少ない若手や、成績が振るわないベテランに多いですね。
店舗間の競争
地域内の店舗同士で販売台数を競うこともあります。「他店より売り上げを伸ばせ」と言われれば、どうしても即決を迫る提案に走りがちです。
トヨタでいうと、トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店とそれぞれ別の会社で元々違う車種を売っていましたが、今は全く同じ車を扱っていたりするので、かなり競争が激しくなっています。
車を売るだけでは儲からない
新車1台当たりの粗利は5%程度と言われています。見栄えのいい店舗、整備工場、販促費、スタッフや整備士の人件費などなどを考えると、到底経営は成り立ちません。

ディーラーの知人に聞いたところ、最近では新車の値引きはほとんどやっていないようですね。
では、ディーラーは何で儲けているのかというと、主に整備・メンテナンスと保険やローンの手数料、自社で下取りした中古車の販売です。
なので、自社で継続的にメンテナンスを受けてもらえるように「メンテナンスパック」のようなものがあったり、保険やローンを強く勧めますし、下取り強化などをやっています。
実際によくある押し売り・強引な営業例
オプションの抱き合わせ
車本体に加えて、コーティング・延長保証・メンテナンスパックなどがセットで勧められるケースは多いです。場合によっては説明もなしに見積書の中にしれっと入っていたりするので要注意です。

コーティングや保証、メンテナンスパックって本当に必要?

ケースバイケースですが、予算内かと金額に見合った満足感が得られるか次第ですかね。
例えば、コーティングやメンテナンスパックは、メンテナンスのタイミングになるとディーラーから連絡が来てメンテナンスしてもらえるので、自分で管理が面倒で全部お任せしたい人にはいいかもしれません。

大事なのは、営業の言いなりにならず、ちゃんと自分で納得して購入することです。
ちなみに、「オプションを契約しないと車を売らない」と強制した場合、抱き合わせ販売と見なされ、独禁法違反の可能性がありますので、覚えておくといいと思います。
「今日だけ特別価格」で即決を迫る手法
「今なら10万円引きますが、今日決めてくれたらです」と言われると焦りますよね。
でも裏を返せば「明日も同じ条件が出せる可能性が高い」ということ。
「今日の1台の契約が欲しい」「他のお店に行かれたくない」という営業心理の表れでもありますが、ここは冷静に判断しましょう。
保険やローンの契約と引き換えに値引き
「保険を契約してくれたら○○万円値引きします」「一部でもローンで購入してくれたら○○円値引きします」なんてこともよくあります。
ディーラーで保険やローンを契約した場合に値引き以上の価値があるのか、じっくり考える必要があります。
自動車保険については、比較サイトで金額を比較してみてください。
ローンのメリットデメリットについては、こちらで解説していますので参考にしてみてください。元ディーラーが、ローンで買って後悔した話
下取り価格での駆け引き
「下取りを高くしますから契約を」と言われても、結局はオプション代で相殺されることがありますし、下取り価格がアップしたとしても、買取店で売却したほうが高く売れるなんてこともありますので、ここも冷静な判断が必要です。
買取価格については、査定サイトなどで相場を調べてみましょう。
おすすめの車買取査定サイトはこちら。査定連絡が多すぎないのが人気です。
MOTA(モータ)
安心して車を購入するための具体策
予算と条件を事前に決める
購入前に「本体は200万円まで」「燃費15km/L以上」「安全装備は必須」など、家族で条件を話し合って、ディーラーに行った際には、条件を営業に伝えることで、条件に合うぴったりの車を紹介してもらえますし、営業トークに惑わされにくくなります。
逆に、予算や条件がはっきりしていないと、営業マンも自分が売りたいものをどんどん勧めてくるようになります。
ディーラーに行く前にネットなどで情報を収集しておきましょう。
複数ディーラーやネットサービスで比較
1社だけで決めると選択肢が狭くなります。特に中古車の場合は、 カーセンサーや楽天Carなどのオンラインサービスを活用して価格・条件を比較しながら相場観をつかんでおきましょう。
下取りは「オンライン査定」で事前に相場を知っておくのが安心です。
契約前に内容を冷静に確認する
契約前に、見積書や契約書はきちんと確認しましょう。「この費用って何?」っていうものがあれば、遠慮なく聞いてください。

悪質な営業の場合、しれっとオプションなどを見積金額に入れていたりするので要注意ですよ。
信頼できる営業マンか見極める
営業マンとの相性も大事です。購入後のメンテナンスやトラブルの際に、頼れる人がいるというのは非常に重要です。
だからこそ、「この人とは合わないな」とか「強引な人だな」と思ったら、たとえ安くてもそこでは買わない選択をするのも必要です。逆に、多少高くても「この人なら信頼できそう」と思える人から買ったほうが、トータルで見たときにお得です。
まとめ|満足度の高いカーライフを送るために
「ディーラーに行くと押し売りされんじゃないか」と不安に感じている人も「ディーラーで強引な営業に遭った」とネガティブなイメージを持っている人もいると思います。
ただ、ポイントを押さえてうまく付き合えば大丈夫。「車のことはよくわからない」という人にとっては頼りになる存在にもなり得ます。
- ディーラー営業が強引に感じるのは、仕組みの問題(ノルマ・競争・利益率)。
- 不要なオプションや即決営業に惑わされないためには、事前準備(予算と条件)、比較検討がポイント。
- 判断基準は、「予算内であること」と「金額に見合った満足感が得られるか」
- 契約は冷静に。契約内容は詳細にチェックしましょう。
- 最後は、信頼できる営業マンから購入する。
「それでもやっぱり不安」という人は、ディーラー以外にもネット完結型やオークション代行などいろんな車の買い方がありますので検討してみてください。
もっと具体的に比較して検討したい方は、こちらの記事もおすすめです。
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車の購入は人生の大きなイベントです。だからこそ、焦らず・流されず・納得して選ぶことが大切です。この記事が少しでも安心につながれば嬉しいです。

